新しい在留資格「特定技能」について解説します

今話題の新しい就労資格「特定技能」ですが、政府より公開されました「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針について」という文書から、制度設計の概要は読み取れますが、ここで分かり易く解説してみたいと思います。

特定技能を理解して頂くために、まずは既存の在留資格とはどのようなものなのかを説明します。

従来からある就労資格では、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」、「経営・管理」、「技能実習」の4つが主なものとなります。

従来の在留資格の特徴を、下記の通りにまとめてみました。
在留資格 内容
技術・人文知識・国際業務 専門知識を活かしたホワイトカラーの職種が当てはまります。

代表的な職種としましては、貿易業務、翻訳通訳業務、プログラマーやシステムエンジニアのコンピュータ関連業務、電機や機械系の工学エンジニアの業務が該当します。

一定の学歴や実務経験が必要とされていますので、在留資格取得のハードルは高いと言わざるを得ません。

技能 特定の職種が対象となっておりまして、外国人のコック・調理師に対して与えられる在留資格が該当します。

10年以上の実務経験等が必要とされておりますので、在留資格取得のハードルは決して低いものではありません。

経営・管理 外国人経営者や役員が取得する必要がある在留資格です。

本在留資格取得に関しても、500万円以上の出資が必要であったり、事業計画書の内容を厳しく審査されるなど、最も資格取得が困難な在留資格となっています。

技能実習 この在留資格は技能実習法に基づくものですが、この法律の目的としては、技能実習生が日本企業において技能を習得し(修得期間は主に1年~3年)、その後母国に帰って母国の企業にて、日本で修得した技能を生かしてもらうことにあります。

いわゆる日本から開発途上国への技術移転を図ることが、目的となっております。

従いまして、技能実習期間(通常1年~3年)が経過すると、必ず母国に帰らなければならないのです。

期間終了後も継続して日本に在留することは許されておりません。

実習先(受入企業)としては、せっかく3年間かけて仕事を覚えてもらったのに、このまま母国に返すのはもったいない、なんとか継続して雇用出来ないか、という企業側の要請が、今回の「特定技能」の在留資格を創設したきっかけだと言われています。

 

次に本題の「特定技能」に関してですが、簡単に申しますと日本企業における人手不足の解消を図るために、特定の業種に限って(特定産業分野という)、単純労働或いは肉体労働を認める在留資格と言えます。

従いまして、従来の在留資格とはその性質を全く異にするものだと言えます。

特定産業分野とは、下記の14業種が該当します。

1.介護業

2.ビルクリーニング業

3.農業

4.漁業

5.飲食料品製造業

6.外食業

7.素形材産業

8.産業機械製造業

9.電気・電子情報関連産業

10.建設業

11.造船・舶用工業

12.自動車整備業

13.航空業

14.宿泊業

特定技能は、「1号特定技能」と「2号特定技能」の2種類が設定されていますが、それぞれの違い及び共通点を表にしてみました。
1号特定技能 2号特定技能
技能水準 相当程度の技能 熟練した技能
受入分野 14業種 2業種のみ(建設、造船・舶用工業)
選考基準 技能試験+日本語能力試験 技能試験(日本語能力試験無し)
第2号技能実習終了からの移行 有り(試験免除) 設定無し(1号特定技能からの移行)
在留期間 最大5年間 上限無し
家族の帯同 出来ない 可能
雇用形態 受入企業との直接雇用
転職の可否 業務区分内での転職可
単純労働 認められる
賃金 日本人と同等額以上の支払いが求められる

 

特定技能所属機関(受入企業)と登録支援機関が協力して、外国人材の受け入れを支援することになっています。

以上ですが、「特定技能」の概要を説明させて頂きました。

特定技能に関する考察

まずは「第2号技能実習」からの移行が中心になると考えますが、実習終了後に一旦帰国していた外国人材が、「特定技能」の在留資格を得て、再入国して来ることを考えると、その人数はかなりの規模になると考えます。

次に考えられるのが、入国管理局に「留学」の在留資格からの「特定技能」への資格変更が認められるかどうかです。

例えば、”建設”或いは”介護”の専門学校を卒業した外国人が、「特定技能」の在留資格を得て、日本の建設会社或いは介護事業所に就職することが、認められるかということです。

実務的には、入国管理局に対して「留学」から「特定技能」への在留資格変更許可を申請することに成りますが、留学生にとって「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への資格変更のハードルがとても高いことを考えると、留学生にとって「特定技能」に対する潜在的需要は大きいと推察します。

 

 

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